ウールリッチは毛織物のブランドとして
スタートしました。
アメリカの労働者や軍の、生活や命を支えてきた偉大な歴史が、
ウールのはたらきや存在感を証明しています。
人々にとってなくてはならないもの、を
作り続けてきた誇りはより身近な現代のファッションに注ぎ込まれています。
As a Wool Company
ウールカンパニーとして
アメリカ最古のアウトドアウェアカンパニーとして続くウールリッチですが、名の通り、ウールは毛のことを指します(しかしリッチが創業者の名前であることはあまり知られていません)。優れたノウハウをもったジョン・リッチ二世がイギリスからアメリカへ渡り、ペンシルバニア州で毛織物工場を設立しました。ランバージャックのための毛布やソックスが話題を集め、多くのリクエストとともにウールのシャツやジャケットが生まれました。林業従事者はもちろん、鉄道員などインフラを整えてきた米国のワーカーにとって、ウールリッチは不可欠なブランドとなりました。
ハンターにとってもウール製のジャケットは古くから重宝されました。衣服の擦れる音が小さいため、動物に気づかれにくいというメリットがあるのです。そうした中、動物には識別されにくく、人間にとって目立ちやすい黒と赤を組み合わせたウール生地が1850年に誕生していました。それこそが私たちが考案したバッファローチェックなのです。そして南北戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と、紛争時には常にブランケットを提供し続けてきました。ウールリッチの毛織物は、どんな場所でも人々の生活を、命を支えています。
Modern Wool Outerwear
現代のウールアウター
そして現在においても、ウールリッチは高品質なウール製品を作り続けています。それはプライドです。2011年の東日本大震災の際に、私たちは300枚のウールブランケットを被災地に届けました。200年近くの歴史の中で丈夫で保温性に優れたウールが、多くの人々の生活を支え続けてきた。その自負は設立以来、ずっと変わらずに持ち続けています。
ウールは羊毛でできた動物の繊維です。ただ寒さに強いだけではなく、湿気を調節したり、抗菌や消臭効果に優れている。つまり、生きているかのような性質をもっています。着る人に温かく寄り添ってくれる素材を、どう美しく編み立て、ファッションへと落とし込むか。天然の魅力を次世代に伝えていくために、ライフスタイルに向けたさまざまなウールを、私たちは誇りをもってデザインしています。
WOOL.1 / ALASKAN MELTON PLAIN OVERSHIRT
ブランドを代表するオーバーシャツには、ウールにナイロンをミックスすることで弾力性、耐久性を高めた、後染めの素材を使用しました。左右の胸元にあしらったフラップポケット、強度の高いタックボタンは、クラシックなアウトドアやワークウェアの名残。肉厚なメルトンは裏地を使わずすっきりと仕立てました。包み込まれるような着心地です。
WOOL.2 / DOUBLE WOOL BELTED COAT
ガウンのようにゆったりとしたコートは、ベルトをぎゅっと絞ってウエストにポイント作るのも、外してふわりとしたシルエットを作っても。柔らかいヴァージンウールがどんなスタイリングにも、美しいドレープや優麗なアウトラインを描いてくれます。膨らみを持たせた左右の大きなパッチポケットも、ウールの上質な素材感を強調しています。
WOOL.3 / ALASKAN WOOL CHECK OVERSHIRT
前述のオーバーシャツがシンプルな一枚仕立なら、本作はナイロンの裏地を配してダウンを封入し、テクニカルにデザインしました。イタリア製の上質なメルトンウールに適切なボリュームで保温性を高めた、ウールリッチらしい都会的なアウターです。チンストラップのようなディテールをあしらい、襟を立てて着用するスタイルも可能です。
WOOL.4 / HOODED WOOL CAPE SCARF
大判のストールを羽織っているように見えて、首周りとアームホールがデザインされたフード付きのケープ。ベストを着るようにスタイリングできます。イタリア製のウールに、アルパカやモヘヤなど、複数の素材をミックスしました。裾端のフリンジ、独特の起毛感が、上質な冬のアクセサリーを想像させます。伝統的なチェックに、新しい表情をもたらします。
WOOL.5 / MELTON WOOL COAT
一見はシックでエレガントですが、ミリタリーの要素を散りばめました。軍隊で使用されていたようなツイル織による厚手のメルトンウールは、優れた耐久性が魅力。そしてすっと手を入れられるハンドウォーマーポケットも実用的なミリタリーデザインの一つ。存在感のある着心地とディテールを備えたコートは、シンプルな着こなしがおすすめです。
WOOL.6 / YARN DYED COAT
ヴァージンウールの包み込まれるような柔らかさを味わえるリバーコート。裏地を必要としないダブルフェイスは、見た目以上のやさしい着心地とラグジュアリーさを体感することができます。表地はオリジナルパターンのチェック柄、裏地はソリッドな無地を採用しました。ドロップショルダーによるゆったりとしたシルエットにも高級感が宿ります。
Photography_Teruo Horikoshi [TRON]
Styling_Itsumi Takashina
Hair & Make-Up_Taeko Suda
Model_ Jeremy [west management],
Alissa [west management]
Design & Development_past inc.
Production_MANUSKRIPT
( 2024.10.18 )